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2023年2月26日日曜日

外郎(ういろう)










奈良でお昼に会席料理を頂いた。

とても正統派の和食のコース。

丁寧な出汁が効いていて、派手さはないが、箸が進む。


最後に出されたのが、抹茶と小豆入りの外郎。

もっちりと得独の歯ごたえで、甘さは控えめ。

梅柄の皿が季節感を盛り立てる。


「ういろう」は漢字では「外郎」。なかなか読めない。

何故、「外郎」と書くのか?

諸説あるが、日本に帰化した中国人の名前からつけられたというもの。

京都にあった外郎家が小田原に移転。

以後も外郎家として外郎と薬を販売している。


意外なことに京都との繋がりがあったようだ。


歌舞伎十八番のひとつで早口言葉のようなセリフが有名な

「外郎売」は、外郎薬。






2023年2月24日金曜日

棘(とげ)



京都・祇園で人気のフレンチレストラン。

用意されていたカトラリーレスト。


まるでオブジェのようにも見える。


柚の枝の、厄介者の棘の部分を切り落として

カトラリーレストとして再生させている


柚の枝には、柑橘類の中でも特に鋭く長く尖る棘がある。

作業や収穫の時には、服が引っかかるだけではなく、

大怪我につながる厄介なものだそうだ。


こんな気遣いのできるシェフの作る料理は

繊細な感性があちこちに施されていて

わくわくする時間を提供してくれる。


帰って来たばかりだけれど、すぐまた行きたくなる。



2023年2月23日木曜日

逆輸入

祝日の朝。

ニューヨークのブルックリンで日本人オーナーが展開する定食屋が、

日本へ逆輸入され、京都に出店している人気店とのことで行ってみた。


朝7時から開店、2日前に予約を入れた時には

すでに9時45からの時間しか空いてなかった。

朝ごはんには少々遅かった。


舞鶴からその日に仕入れた新鮮な魚がウリとのことだが・・・

少々期待が大きすぎた感がある。


しかし、ここのところ朝食の重要性、

脳や身体のエネルギー補給や生活リズムの調整、

太りにくい身体作りなどの大切な役割は

広く知られるようになった。

20代の朝食欠食率が大きいと、大学で朝食を始めるところも多いと聞く。


SNSのお陰だろうか、お客さんの8割が若い年代。




 


Lorimer Kyoto

一汁三菜 二魚





2023年2月18日土曜日

五節句

 久しぶりに孫たちと外食したレストランのエンタランスに

立派な雛人形が飾ってあった。


一人息子に、孫は男、雛人形には縁がなかった。


1年間の重要な五つの節句のひとつ。

五節句は

1月7日(人日じんじつ)・3月3日(上巳じょうし)・5月5日(端午たんご)

・7月7日(七夕しちせき)・9月9日(重陽ちょうよう)の五つ。


旧暦の3月3日前後に桃の花が満開になることから「桃の節句」

子どもの頃に過ごした土地では、旧暦で4月3日に行っていたが、

今はどうだろうか。


祖父母が用意してくれたひな人形は

友人のものと比べると少々見劣りはしてたものの五段飾り。

ひな壇を飾った日の思い出は、

今でも鮮明に覚えているし、とても嬉しかった。


今は、コンパクトのものが主流だとか。


「飾る」そして「仕舞う」という「行為」

これが大切だったんだと、気が付く。







 






2023年2月16日木曜日

木瓜(ぼけ)

幼いころ、真っ赤な花が咲いているのを見て

「ぼけて変な時期に咲くから『ボケ』というんだよ。」と聞いて、

面白くて、とぼけた花だな~と思ったことを覚えている。


以来、数十年・・・誤った認識だったと

ボケに対して申し訳ない。


漢字で書くと「木瓜」

どうやら、実が瓜に似ていて「木に成る瓜」から。

「もけ」から「ぼけ」と転訛したという。

実は、ジャムや蜂蜜漬けにして食べるらしい。


盆栽仕立ての我が家の木瓜。

家族が買ってきて、5年位になる。


過酷な夏に何度も瀕死の状態になりつつも

強い生命力で毎年咲いてくれる。


残念ながら実はまだ見たことがない。




2023年2月14日火曜日

贅沢

ホテルの窓から、この景色を眺められるのは贅沢だ。 


今日の空模様は目まぐるしく変わったので

琵琶湖も様々な色を見せてくれた。


家から1時間以内で来られて非日常を楽しめる。

ホテルで、まさに「おひとりさま」を満喫。


この「おひとりさま」という言葉、

2005年の流行語大賞にノミネートされて

広まった言葉。


最近は、家族と一緒より「ひとり」の方が

よほど楽しめるようになった。


一人でホテル1泊して息抜きなんて、こちらも贅沢かな。


結構多くの旅館ホテルで、ひとり宿泊のプランがないところもある。

是非、一人でも利用できるようにしてほしい。









2023年2月13日月曜日

初午(はつうま)

 「午の日」といえば、稲荷社の祭礼と思っていたが、

たまたま訪れた大原・三千院でも

『初午 大根焚き(はつうま だいこんだき)』の

ご接待をうけた。


コロナ禍を経て、境内で頂く

あつあつでしっかり出汁のしみた大根は

身も心も温まる。


厳冬の大原の里では、1月末の雪がまだ、

ところどころ塊となって残っていた。


三千院といえば重要文化財、阿弥陀如来像の脇に控える

観音菩薩像・勢至(せいし)菩薩像(いずれも作者不明)の二仏の

座り方がいわゆる「正座」をされているのが特徴的。

平安時代の「国風文化」を表しているともいわれている。


今回の参拝でしっかり確認することができた。


洋間が増えた現代日本人は

「正座」ができない子どももいるとか。

畳と着物のの文化は廃れる一方。


嘆きつつも、歳を重ねると

膝を痛めて正座はきつい・・・という本音が出る。




2023年2月10日金曜日

老舗

 お祝いのお返しで頂いたお菓子。


小ぶりな箱には店名が金箔で押され、見るからに上品で高級。

箱の隅に金に輝くシールが!

2016年G7伊勢志摩サミット、そして

2019年G20大阪サミットに使用された証。


さらに 「dal 1763 a Torino」の文字が読める。

創業260年のイタリアの老舗・ビチェリンのものと判った。


平凡な焼き菓子から、急にありがたい高級菓子にみえてくるから

現金なものだ。


有名な所では

戯曲家プッチーニ、哲学者ニーチェ、文豪ヘミングウェイに愛された店。

そして各首脳へのおもてなしに使わたお菓子。

それが、なんと名古屋で作られていたんだなんてね。


しかし、日本で行われたサミットの時くらいは

日本の老舗のお菓子を出したらいいのに!


老舗の味は不思議なことに、熟成されたワインのごと、

何かしら歴史的な重みを感じる






ビチェリン・バーチ3種




2023年2月9日木曜日

自然薯

鹿児島みやげのトップに君臨する「軽羹」

家族が土産に買ってきた。


名まえの由来は、まさに字のごとく軽い羊羹とか。

本来は竿菓子であったことがわかる。


自然薯をたっぷり使った素朴なお菓子。

最近は餡を入れる饅頭タイプが人気らしいが

やはり原点回帰、発生にちかいモノの方が

「もちふわ」感が際立つ。


自然薯好きの家族は「これに限る」そうな。


自然薯と米の粉と砂糖、材料がすべて「白」

だから、潔いほど純白の菓子。

かるかん





2023年2月7日火曜日

善悪

今日も、映画館に行くまでは

別の映画、戦国武将が主人公のものを見るつもりだった。


ところが、映画館の入り口の大きな宣伝を見て

気が変わった。


元々、池波正太郎作品の大ファン。

彼の著書はほとんど読んでしまった。

中でも「剣客商売」が好きだ。

武士の矜持が美しい。


この映画「仕掛人・藤枝梅安」は

作家「生誕100年」で制作された2部編成のもの。


池波の小説の根底に流れているテーマのひとつ

『善人が時には悪をなし、悪人が状況に応じては善をなす』

映画にも、これが良く表現されている。


だからこそ、人間は複雑で厄介なモノ。

だからこそ、優しくて悲しいモノ。


ただ・・・主人公 梅安役の俳優は、もう少し

善人に見えた方がよかったかも。


エンドロールの後に紹介された次回作、

今から楽しみ。





2023年2月6日月曜日

神鹿

立春が過ぎたら、急に日差しが暖かい。

久しぶりに奈良。


人も多くて賑わいが戻っている。

奈良と言えば「鹿」

平安時代に、春日大社が繁栄するに従い

「神鹿=神の使い」としての神話が一般化という。


最近、奈良のシカは、独自の遺伝子型を持つ集団であることが、

奈良教育大学などの研究で明らかにされた。

1000年以上にわたって人の手で保護されてきたことが

科学的に示された、とのこと。


野生動物と人間が街中で共生しているという例は

世界的にも珍しい。

この光景が長く続くといい。












奈良・興福寺五重の塔

2023年2月1日水曜日

初花月(はつはなづき)

はや、2月。

2月は如月。

諸説ありだが、私の好きな説は、

春に向けて草木が生えはじめるから「生更木(きさらぎ)」


また、如月は、梅の花が咲く月なので「初花月」と呼ばれるそうだ。


今年は年明け早々から、大きな出来事があって

バタバタと気忙しい毎日だったので

特に1月の過ぎるのが早かった。


ということで、一人でゆっくり好きなホテルで骨安め。

非日常を楽しむ。


朝、きれいな朝焼けが見られた。






琵琶湖の朝

劇場

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